ショルダーポーチの実用品としての歴史と素材・デザインの変遷

ショルダーポーチの歴史
初期の用途と登場背景
ショルダーポーチの原型は古代にさかのぼります。旧石器時代の人類は狩猟で得た動物の皮を使って袋状にし、衣服や携行具として利用していました。中世ヨーロッパでは十字軍遠征の影響で腰に吊るす袋(オモニエール)や小バッグ(ポシェット)が登場し、これが近代の鞄の原型になったと言われます。
近代日本では、明治末期に旧陸軍の下士官が地図や書類を入れる「図嚢(ずのう)」を使用し、革製フラップ付きの重厚なショルダーポーチが作られました。
このように、当初は狩猟用や旅行用、軍事通信など実用性を重視した用途でショルダーポーチが使われていました。
参考資料(イメージ)
素材の変遷
当初は動物の皮革が主要素材でしたが、産業革命以降は帆布(キャンバス)などの素材も広く用いられるようになりました。
第二次世界大戦下の日本では革使用規制によりアザラシの革など、いろいろな革などが代替素材として試されたことが記録されています。
戦後の1953年には東レが高級ナイロン素材のバッグ(東レ・ナイロンバッグ)を発表し、バッグ素材に革命をもたらしました。
東レ・ナイロンバッグ(参考資料)
さらに最近では、高強度ナイロンやポリエステルのほかに、リサイクルナイロンやリサイクルレザー、また弊社の「神ノ糸」などサステナブルファブリックなエコ素材が積極的に採用されています。
近年は環境配慮からプラダの「Re-Nylon」コレクション(漁網再生ナイロン)など再生素材を使ったモデルも登場しています。
参考資料(プラダの「Re-Nylon」コレクション)
デザインの変化
旧来のショルダーポーチは革製フラップや口金留めが一般的でしたが、1930年代以降はジッパーやベルクロ留め具が普及しました。初期のポーチは収納が単純で外ポケットも少なめでしたが、現代では多層ポケットや仕切り付きインナー、などを備え収納力が向上しています。また、ストラップも当初は細い革ベルトでしたが、現代は幅広ナイロンウェビング製で長さ調節可能なものが主流となり、クッションパッド付きやチェストストラップ付きなど形状・機能が多様化しています。
各時代の代表的形状・用途
- 20世紀前半(~1940年代): この時代は軍用や官公庁での利用が目立ちます。日本では旧陸軍図嚢のような縦型帆布ショルダーポーチが使われ、地図や書類を収納しました。欧米でも士官用や通信兵用の革袋(サッチェル)などが見られました。
- 1970~1980年代: アウトドア・レジャーの広がりとともに、軽量ナイロンやキャンバス製のショルダーポーチが普及しました。また、米国ニューヨークの自転車メッセンジャー会社では各社共通の色分けショルダーバッグを採用し、メッセンジャーバッグ文化が芽生えました。このころからスポーティなデザインや大判ロゴ入りバッグも流行しました。
- 2000年代以降: ファッションブランドもショルダーポーチ市場に参入しました。プラダは1978年に高機能ナイロン「ポコノ」を用いたショルダーバッグで世界的ヒットを記録し、以降も洗練されたデザインを発表しています。
- 2019年には漁網を再生した「Re-Nylon」素材でショルダーバッグを発表し、耐久性・撥水性を保持したままサステナブルなコレクションが人気を集めています。高級ブランドだけでなくアウトドア系、ストリート系など幅広い分野で多様なデザインのポーチが登場しています。
現代における用途の多様化
近年のショルダーポーチは性別を問わず使えるジェンダーレスなデザインが主流になっています。機能面では高密度ナイロンや撥水加工素材の採用が進み、防水性能が格段に向上しました。内部にポケットや鍵収納ホルダーを持つセキュリティ強化モデル、スマートフォン専用ポーチ付きのモバイル世代向けモデルも増えています。ビジネス・レジャー・旅行・通勤・自転車通勤など利用シーンは多彩となり、特に近年はエコ素材や高機能素材の活用、シンプルで機能的な財布ポーチやスマホポーチなどのミニバッグの人気が高まっています。
だからこそ、K-iwamiのショルダーポシェットは他の商品と一線を画す存在として注目されています。伝統的な技術と現代的な機能性を融合させたデザインは、見た目の美しさだけでなく、使う人のライフスタイルにも自然に寄り添います。天然素材から生まれた「紙ノ糸」による軽さと耐久性、そして通気性の良さは、暑い季節でも快適に使えると多くのユーザーから高評価。さらに、必要最低限をスマートに持ち運べるサイズ感と、洗練されたジェンダーレスなフォルムが、幅広い年代とシーンにマッチする理由です。
環境への配慮と実用性を兼ね備えたK-iwamiのショルダーポシェットは、今まさに“選ばれるべき一品”として支持を集めています。